2025.11.19
Focusing on AI startups in “Vertical, Momentum and US Cross-Border.” The future envisioned through the formation of a JPY5 billion fund

マネージングパートナー坂東龍が語る、ベンチャー・ビルダー ファンドの展望
2025年11月にデライト・ベンチャーズは、創業期からシード期のスタートアップ向けの投資に特化した50億円規模のデライト・ベンチャーズ・ビルダー3号ファンドを組成しました。ベンチャー・ビルダーは「Vertical Shift」「Momentum Shift」「US Cross-border」という投資の軸を確立し、起業家支援の新たなステージへと進化しつつあります。
「スタートアップの起業はほとんど失敗する」ものだからこそ、事業立ち上げ経験が豊富な支援メンバーと、ヒットサービスをつくってきたエンジニアが初期プロダクトを共に作り上げ、DeNAの強力な支援体制のもと、手厚く起業家に伴走する──。マネージングパートナー・坂東龍が、独自の支援&投資スタイルと、デライト・ベンチャーズ・ビルダー3号ファンド設立で目指す未来について語ります。
「3本柱」の確立で起業家支援・投資を次のステージへ
──2023年春のデライト・ベンチャーズ・ビルダー2号ファンド設立から2年半。2025年11月には3号ファンドを設立しました。ベンチャー・ビルダーはどのように進化してきたのでしょうか。
坂東:2019年の1号ファンド組成以来、ベンチャー・ビルダーは、事業立ち上げのゼロイチに特化した専門知識と実績・経験をもったメンバーが起業家とともに事業の企画・検証・プロダクト開発・事業化までを支援するという手法を強みとして、これまで30社以上の創業期・シード期のスタートアップに投資してきました。
2号ファンド設立後のこの2年半の間は、主に起業支援プログラム「VチャレBiz」を軸に、既存企業で働く各産業のスペシャリストの方々に、各産業で顕在化している大きな課題を解決するような「課題解決型」の事業での起業を促し、一緒にプロダクトを作る共同創業投資を中心に行ってきました。
一方で、課題解決型だけではなく、新しい体験や新しい価値を提供するような「価値提案型」の事業にも投資していこうという方向性も出てきました。ファンドのLPであるDeNAも、ものづくりに強みがあり、デライト・ベンチャーズもエンジニアの伴走が強み。そこでものづくりに強い「エンジニア起業家」をターゲットに支援・投資していこうと、「VチャレTech」というプログラムを2024年春から始めました。
さらに、何年か前から日本人起業家が最初からアメリカで挑戦する動きも出ていたので、そのような方々をしっかり応援しようと、「DelightX」という起業プログラムを2025年春から開始しました。
また、この11月より、「VチャレBiz」「VチャレTech」をさらに進化させた取り組みとして、ゼロイチの事業創出を支援するインキュベーションプログラム「V-ShIP」および「M-ShIP」の募集を開始したところです。
投資の手法としては、前述した初期プロダクトをデライト・ベンチャーズのエンジニアが一緒に作る共同創業投資を中心としつつも、シード期の純投資案件の引き合いも多く、純投資も増えてきております。
このように、投資・支援の領域が拡がっており、昨今のAI化の大きなトレンドもあり、さらに多くの有望な起業家・スタートアップに対して投資を加速させたいとの想いで、今回の50億円規模の3号ファンド組成に至りました。
──ベンチャー・ビルダーファンドの投資対象の特徴を教えてください。
一つ目は、「Vertical Shift(特定産業の業務プロセスの構造変革)」です。AIを活用して物流・製造・医療・建設・一次産業などの特定産業における業務プロセスを再構築するスタートアップを投資対象とするものであり、特定産業の現場知見とドメイン知識を持つ起業家とともに、「課題解決型」スタートアップを立ち上げて共同創業投資することを目指します。
二つ目は、「Momentum Shift(PEST※起因の社会変容の捕捉)」です。規制・経済・社会・技術などの変化により加速する消費行動の変革を捉え、新たな産業や文化を創出する「価値提案型」のスタートアップへの投資に注力します。
※PEST:ビジネスに影響を与えるマクロ要因「Politics(政治)」「Economy(経済)」「Society(社会)」「Technology(技術)」の総称
最後に、「US Cross-border (日本発の米国AI起業の創出)」です。日本発の起業家による米国(主にベイエリア)でのAIスタートアップ創業を投資対象とし、世界で活躍する日本発の起業家を増やすことを目的に、初期からグローバル市場で挑戦する起業家に投資します。
この3つの領域それぞれに対応した3つのインキュベーションプログラムも運営しておりまして、現在、各プログラムとも参加希望者を募集しております。
1. V-ShIP(Vertical Shift Incubation Program):産業課題×AI領域の共同創業型プログラム。現場知見を持つ起業家と、課題設計からAI適用設計・検証までを伴走支援。プログラム内で最大100万円を検証費用提供、最大5,000万円を投資。 ※募集締切:2025年12月29日(月)23:59(日本時間)
2.M-ShIP(Momentum Shift Incubation Program):PEST要因による社会構造変化を起点に新産業を創る起業家を支援。外因仮説検証や市場拡張の可能性を3ヶ月間で検証し、条件を満たした起業家へ相対交渉で投資実施。 ※募集締切:2025年12月29日(月)23:59(日本時間)
3.DelightX:グローバルAIスタートアップ創出・米国投資家からの資金調達を目的としたSan Francisco滞在型プログラム。現地トップティアVCや在米日本人起業家によるメンタリング、ネットワーキング支援、最大USD60,000の資金提供。 ※募集締切:2025年12月21日(日)23:59(日本時間)
──3本柱すべてに共通する特徴はありますか。
坂東:どの柱においてもソリューションはほぼAIが絡みます。AIの目覚しい進化によって、AIを活用したサービスは大きく進化しています。実際、デライト・ベンチャーズ・ビルダー2号ファンドの案件を振り返ると8割以上がAI銘柄になっています。サービスのコアバリューにAIが入っていないものでも、何かしらAIが活用されている。投資先だけでなく、私たちの運営自体にもAIをどんどん活用していこうと考えています。
また、どの投資領域においても、そしてAI等の技術の進歩があろうとも、事業をつくって推進する起業家(創業チーム)こそが一番重要であることは変わりません。特に創業期からシードフェーズにおいてはまだ事業としてのトラクションも出てないことが多いですから、事業プランと起業家のその領域における顧客の課題やニーズに対する熱量・専門性、解決する能力、起業家の各ステークホルダーを巻き込む力などを材料に投資判断するしかありません。
我々は一般的なVCよりも起業家に近い距離で立ち上げ期から支援するので、その支援の過程で起業家の活動を見て投資判断させていただくというのも大きな特徴ですね。
──DeNAとのシナジーについても、変化があったそうですね。
坂東:はい。これまでもLPでもあるDeNAからのサポートを受けておりましたが、「DeNA ver.2.0 "AI" For & With Startups」というプログラムが立ち上がり、シナジーがさらに強力になっています。
具体的な支援内容は、DeNAの幅広い事業ネットワークを活かして顧客・提携先紹介をする「Go to Market サポート」、DeNAを最初の顧客として活用する支援「DeNA as a Customer」、そしてDeNAのAI戦略統括本部と連携した技術支援「DeNA Startup Boost Guides」などが主たるものです。
例えば「immedio」という商談自動化サービスは、横浜DeNAベイスターズの営業部隊で導入されています。その実績をもとに他社への営業もしやすくなる好例です。また「AI社長」という社長の分身サービスを展開するTHAは、DeNAが持つ横浜市の企業ネットワークを活用しGo to Marketのサポートを受けて導入社数を伸ばしています。
こうした支援が、案件ベースのベストエフォート対応ではなく、仕組みとして確立しました。今は投資先の担当キャピタリストが支援依頼を起票すると、1週間以内にDeNAの専任の担当がついて支援が動き始めるようになっています。
バーティカル産業の起業家と百戦錬磨のエンジニアがタッグを組む強み
──バーティカル産業に注目している理由は何でしょうか。
坂東:2020年あたりまでは、HRやマーケティングといったホリゾンタルな領域へのSaaSのスタートアップが多かったと思いますが、そこがレッドオーシャンになってきた。そうなってくると、むしろバーティカルだけれども巨大産業で、今までDXが進んでいなかったところの方が狙い目だという流れに変わってきています。
我々の起業支援においても、こうしたバーティカル領域で経験を積んだ方の参加が、この2年間で増えました。こうした方々は特定の領域や産業の業務課題を構造的に、解像度高く理解し、解決の仕方もある程度わかっています。ネットワークはある、顧客も知っている、ただプロダクト開発の知見・経験がない、という方が結構いらっしゃる。
そういう方々と一緒に、弊社のマネージングパートナーでありエンジニアでもある川崎(修平)をはじめ、新規事業の立ち上げ経験を持つエンジニアがペアを組んで、プロダクトを一緒に作っていく。これが我々の大きな強みになっています。
──バーティカル産業の起業家を支援する上で、意識していることはありますか。
坂東:バーティカル産業出身の方は、その課題領域のスペシャリストではあっても、スタートアップ起業家としての経験はありません。そこで「スタートアップとは何か」「ベンチャーキャピタル(VC)は何を期待しているか」という最初の目線合わせが非常に重要になります。
VCは、スタートアップが急成長を遂げて大成功し、そのリターンを得るのが仕事です。一方、バーティカル産業の起業家は、自分がやりたかった事業をある程度達成すると、満足してしまうケースがよくあります。
だから「VCから調達を受けるということ」「スタートアップの目的」「単なる起業との違い」を、最初にきちんと説明し目線を合わせることが重要です。スタートアップと既存産業ではカルチャーが全然違う。目指すスピード感や動き方、コミュニケーションの仕方が違います。最終ゴールやステージごとの顧客獲得の仕方など、ゴールへのストーリーに沿った動きができるよう説明を尽くすことには、力を入れています。
「スタートアップの起業はほとんどが失敗する」を前提に、事業立ち上げ経験者が支援
──デライト・ベンチャーズの支援の根底にある考え方を教えてください。
坂東:「スタートアップの起業はほとんどが失敗する」という事実を前提に支援しています。
創業期からプレシード段階の事業案は、何かしらどこかで引っかかるものです。その引っかかりを早めに見つけて、「ダメだったらすぐピボットして、また再挑戦しましょうよ」、というのが考え方です。
だから「起業前から腹をくくって会社を辞めて猪突猛進に頑張ります」というやり方はあまり推奨していません。起業家が課題解決や新しい価値の提案をしようと、熱い思いで突き進むのは当然だと思いますし、その熱量がなければ成功することは難しいでしょう。しかし、やみくもに突き進んでも9割以上が失敗に終わるのがスタートアップです。適切な顧客課題(ニーズ)を発見し、最適かつ優位性のあるソリューションを素早く高品質で顧客に提案しなければなりませんが、残念ながらそうならないのが現実です。
よって、「ほとんどの皆さんは失敗するので、しっかり顧客の課題(ニーズ)調査やソリューションの検証をしましょう。しかし時間をかけるのではなくスピーディに。成功しそうな材料が揃えばアクセルを踏んでいきましょう。ダメなら早くピボットして再挑戦の繰り返しをしましょう」というのが私たちの考え方であり、この考え方は運営している起業プログラムの設計にも反映しています。
──ほかのVCと違う特徴はどこですか。
坂東:VCには一般に、金融系出自の方が多いと思いますが、私たちは事業を作ったことがあるメンバーばかりです。特に、私たちベンチャー・ビルダーの投資対象は、ゼロイチの立ち上げフェーズなので、複雑な投資契約を調整することよりも、きちんと事業を立ち上げられるところを強みにしています。
例えばビジネス側では、ゼロイチで事業を立ち上げてきた人をメンバーとしてそろえています。スタートアップは立ち上げ初期の上流ほどつまずきやすい。そこで事業案をプレシード期の上流工程できちんとチェックし、半年間ぐらい伴走した上で深く見極めて投資決定するのが特徴です。ベンチャー・ビルダーが始まってからの6年間で何百件、何千件の失敗案件を見てきているので、失敗の普遍的な特徴をチェックポイントに入れて、それを通過したものに投資するという仕組みもできています。
また、新規事業立ち上げ経験の豊富なプロダクト開発チームがプロダクトオーナーとして投資先の初期プロダクトを一緒に作るのも、ほかのVCにはない特徴です。課題に対して必要な提供価値の機能をピンポイントで理解した上で、スピーディにクオリティ高く作るのが私たちの強みです。そうすると上流工程における失敗の確度がかなり低くなると考えています。
──投資のスタイルについて教えてください。
坂東:ベンチャー・ビルダーファンドは、創業期からシード期のスタートアップに投資をしますが、2つの投資パターンがあります。1つが「共同創業投資」、もう1つが「純投資」です。
共同創業投資は、当社のプロダクト開発のプロフェッショナルがプロジェクトオーナーとして、起業家の描く課題を意図を汲み取る形で初期プロダクトを立ち上げ、その代わりにその時点で20%程度の株式を保有させていただくという共同創業のパッケージ投資です。
一方、純投資は通常の一般的なシード投資であり、私たちが投資オファーをしますが、条件は基本的には相対交渉で、1,000万円〜1億円の間の投資チケットサイズで検討が可能です。基本的に純投資の場合はプロダクトオーナーとしての支援体制は対象外としていますが、もちろんスポットでの技術的な相談などは対応しています。そのため、起業家のニーズに合わせた関わり方や投資を検討することができます。
成功事例に見る、ベンチャー・ビルダー事業の支援内容
──ベンチャー・ビルダー投資の成功事例を紹介してください。
坂東:商談自動化サービス「immedio」の浜田さん(株式会社immedio 代表取締役の浜田英揮氏)は、Sansanのインサイドセールス統括をされていた方で、私が転職支援サイトで「起業しませんか?」とスカウトしました。私たちには「起業家候補にこういう課題を解決してもらいたい」というリストが1,000件以上あります。その中にアメリカで先行している「Chili Piper」という商談自動化サービスが解決しているインサイドセールスの課題がありました。
浜田さんに1,000件以上のリストから解決したい課題を選んでもらったところ、数日後、第1候補に選んできたのが、まさにそのインサイドセールスの課題だったのです。そこですぐに検証を始め、企画をブラッシュアップしていきました。川崎が一緒に初期プロダクトを作って、本当にスピーディに、浜田さんが求める課題解決の提供価値を体現するプロダクトを作りました。それで顧客の反応も得られたので、起業の意思決定が早くできたんです。
浜田さんにはエンジニアの知人やネットワークが少なく、そのタイミングではプロダクトを作る人が周りにいませんでした。デライト・ベンチャーズの起業プログラムに一番価値を感じたのは「優秀なエンジニアが一緒に初期プロダクトを作ってくれるところ」だと言ってくれています。
それから「スマート修繕」のケースでは、豊田さん(株式会社スマート修繕 代表取締役 豊田賢治郎氏)はもともとは起業する気が全くありませんでした。
1号ファンド立ち上げ間もない頃、私たちは事業アイデアのネタを集めるため、DeNA社員に不動産領域で課題を感じていることについてヒアリングしました。豊田さんは、マンション管理組合の理事長だったのですが、修繕工事に直面したとき、紹介された工事会社の見積もりの不透明さに疑問を感じたそうで、その経験を熱い思いとしてアンケートにぶつけてきました。
そこで「これを深掘りして、事業にしてみませんか」と提案しました。最初は夜や土日の課外活動として始まった取り組みでしたが、適正でオープンな見積もりプラットフォームを試作したら、いろんなマンションの組合から引き合いが来て、感謝状をくれるお客さんもいたんです。本人も最初は全然起業する気などなかったようですが、破竹の勢いで伸びる事業となり、本当にウキウキと働いていているように見えます。今は「日本の大規模修繕工事の課題を全部解決しよう」と奮闘されています。
3号ファンド立ち上げで日本で最も信頼される「起業の登竜門」へ
──今後、ベンチャー・ビルダー事業をどのように進化させていきますか。
坂東:まずは事業の3本柱を体系的にしっかり整備し、投資家として、支援のプロフェッショナルとしての専門性を磨いていきたいですね。
「Vertical Shift」の支援や投資実績は積み上がってきていますが、「Momentum Shift」や「US Cross-border」は、まだまだ発展途上です。その規模(投資数)も増やし、クオリティも上げるということを、3本柱それぞれでやっていかなければなりません。
──AIの活用についても言及されていましたね。
坂東:ここ1年でもAIが進化しているので、投資先の事業での活用はもちろんですが、デライト・ベンチャーズの運営にもAIをどんどん活用していきたいと思っています。
VCの役割のうち、人と人とのウエットなコミュニケーションの部分はなかなかAI化できませんが、定型的なことやリサーチ、手間暇かける必要のない調査や作業は、どんどんAI化して効率的にしていきます。ソーシングのきっかけ作りも、AIをフル活用したいですね。
活用の結果、キャピタリストとして、ベンチャー・ビルダーの支援者として汗をかく部分に注力して、ほかでは真似できないような知見とコミュニケーション対応をやっていきたいと思います。
──最終的に目指すゴールは。
坂東:起業プログラムにしても投資にしても投資後の支援にしても、優秀な起業家と出会えて、その人たちの役に立つというのがすごく重要です。いかにそれを速く丁寧にやるかが勝負になります。
ですから、優秀な起業家の方々が参加したくなるような、ちゃんとしたプラットフォームにしておく。仕組みもそうですし、メンタリティ的な部分もそう。
「起業するならデライト・ベンチャーズに行こう。ここから巣立っていこう」という登竜門として、日本では真っ先に名前が挙がる──今もそれに近いブランディングができつつあると思いますが、圧倒的1位になり、世界的にも名が知られるようにしていきたいなと思っています。
──最後に、これから挑戦する起業家の方々へメッセージをお願いします。
坂東:私も自分のビジネス人生においていくつかの事業立ち上げ経験がありますが、自分の立ち上げた事業で世の中の課題を解決したり、新しい価値の提供をして社会に貢献できることって、本当に素晴らしいなあと思いますし、本当に楽しいんですよね。ベンチャー・ビルダーはそんな起業家を増やす場所です。
ただし、やるからには大成功事業を輩出したい。「スタートアップはほとんど失敗する」という厳しい世界ですが、大成功目指して一緒に挑戦する起業家の方々を募っております。
特にバーティカル産業で経験を積まれてその領域の大きな課題を熱い思いで解決したい、新しい価値を世の中に提案したい方、アメリカで勝負したい方はぜひ一度、デライト・ベンチャーズのインキュベーションプログラムに応募いただければと思います。

Profile:
●Delight Ventures Managing Partner, Ryo Bando
Ryo Bando joined DeNA in 2003. After working in advertising sales and as a consultant for the online solution business, he launched "Everybody's Wedding" and led the business until its spin-out. Later, he served as the head of the Social Game Business Planning Office, director of PAYGENT, head of the Incubation Business Department, and director of SHOWROOM. In October 2019, he moved to Delight Ventures, where he is responsible for creating and developing new businesses and startups as the head of Venture Builder.






