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2021.9.2

VCとしてのデライト・ベンチャーズ

Kentaroh Nagahara
Kentaroh Nagahara
Partner
VCとしてのデライト・ベンチャーズ

デライト・ベンチャーズで、スタートアップの投資を担当している永原健太郎です。デライト・ベンチャーズ立ち上げに関して2019年の年末に記事を書いて以来情報をアップデートできていなかったので、今現在、どのような投資方針で運用をしているのかを記載できればと思います。

自己紹介

まずは簡単な私自身の経歴について改めて記載させて頂きます。VCとしてのキャリアのスタートは2007年に新卒で入社したサイバーエージェントでした。大学院でファイナンスを専攻していたのですが、インターネットにも興味があり、金融×ITという軸で色々と仕事を探している中で出会ったのが「ベンチャーキャピタル」という職業でした。先の記事にも記載していますが、直感的に面白そうな職業だなと感じたのと、これから普及していくインターネットの市場で、ITを活用して世の中をもっとよくしていく手助けができるのではないか?と言ったようなことを感じ、実際どのような職業なのかを調べたという感じです。当時は今ほど情報もなく、HPから採用状況を問い合わせたり、インターンを申し出たり、分からないなりにアプローチをしていました。
そして、配属後2年ほど投資業務を行った後、SEOのコンサルやメディアのマーケ等幅広い業務を経験させて頂き10年ほど在籍しました。この10年で出会った同期や先輩、後輩、クライアントとは巡り巡って今一緒に仕事をすることもあり、何にも変え難い財産となっています。そんな中、改めてVCの世界に戻ったのは2017年です。様々な部署で事業経験をしていつつも心の中に常にあったのは、学生時代から変わらず「世の中に出ていないサービスを起業家と語り合いながら、共に未来を作っていく仕事がしたい」という想いでした。その後は、南場と出会い2019年のデライト・ベンチャーズの設立に繋がり今に至ります。

投資の基本要件

それでは少し長くなりましたが、本題のデライト・ベンチャーズの投資領域に関してご説明させて頂ければと思います。まずはファンドの基本要件から整理しておきます。

<デライト・ベンチャーズ 1号ファンド 概要>
・独立系 or CVC:独立系ベンチャー キャピタル
・LP:DeNA 単独一社
・ファンド金額:100億円(規模)
・代表(共同代表):南場 智子、渡辺 大
・現在の投資実行数:非公開含め28社(うち海外3社) - 2021年8月現在
・CXOのDeNA出身者比率:46.4%(13/28)
・リード比率:46.4%(13/28)
・⁠投資判断:GP双方の合意をもって可決

特徴としては、マネージング・パートナーの渡辺が記載しているDelight VenturesはCVCか?という記事にある通り、デライト・ベンチャーズの1号ファンドはDeNAを唯一のリミテッド・パートナーとしつつも、CVCではなく独立系ベンチャーキャピタルとして設立されている点になります。
また、今でもよく「DeNA出身者以外には投資をしないのですよね?」と聞かれることが多いのですが、DeNA出身者以外の投資先も半分以上を占めているのが現状です。DeNA関係の会社なので投資意思決定しやすい、ということはなく、あくまで投資領域やビジネスモデルなどを見た上で投資判断をさせて頂いております。
それでは、投資対象・領域についてもう少し詳しくお伝えさせて下さい。

<投資対象>
・投資ステージ:シード&アーリー(シリーズAまで)
・投資先本拠地:国内メイン
注力投資領域:
 1情報の非対称性を解消するビジネス
 2社会生産性を劇的に改善するビジネス
 3社会の持続性(サステイナビリティ)に直接貢献するビジネス

投資ステージ

初回の投資ラウンドに関して、(基本的には)シード〜シリーズAまでと定めております。しかしながら、我々の投資領域や投資方針にマッチする会社に関してはシリーズB以降でも投資させて頂いた実績もあるので、ステージ以上にこれから記載する投資領域へのマッチ度合いを重視している傾向にあります。

投資領域

これまで注力している投資領域について、あまり言及していなかったのですが、大きく下記3つの投資領域にフォーカスをして投資検討しております。ホームページにも詳しく記載しているので併せてお読み下さい。

1情報の非対称性を解消するビジネス
2社会生産性を劇的に改善するビジネス
3社会の持続性(サステイナビリティ)に直接貢献するビジネス

デライト・ベンチャーズは、DeNAが展開しているゲーム・エンタメ・スポーツ領域への投資ではなく、上記1〜3のテーマに沿った事業を展開している企業への投資をメインに行なっております。
インターネットを通して、アンフェアな世界を変えていくこと。そして根底にあるのは日本の国力そのものを後押しするような、そんなビジネスを本気で展開している起業家の皆様とご一緒させて頂いております。

投資先起業家に共通するもの

これまで投資させていただいた起業家の方々を見てみると、主に下記2点を重視している傾向にあります。

何故その領域で起業しているか

投資ステージに限らず、起業家の方が何故その領域で起業するに至ったかは重要視しています。起業のきっかけは様々あって然るべきだと思っていますが、投資テーマが課題解決型ビジネスが多い為、必然的に起業家自身の原体験を元に業界を熟知した方が起業している投資先が多い傾向にあります。

グローバル視点を持っているか

必ずしも今すぐ海外進出をという起業家でなくとも、グローバル視点での課題に向き合う意識があるかをみています。日本だけでなく、世界に視野を広げると事業規模だけでなく、さまざまな課題に触れることができると考えています。実際に現在グローバルに挑戦している投資先は、国内25社中2−3社かもしれませんが、日本発グローバルのスタートアップの輩出を本気で応援していきたいと考えているので、引き続き注力していきたいと思います。あわせて、海外のスタートアップにもすでに3社投資しています。マネージングパートナーの渡辺が米国に拠点を置くことで、スタートアップにとって日本とグローバルの壁を極力減らせる方法を考えています。

起業家自身への信頼

これはDeNAの文化の一つかもしれませんが「人との信頼」を重視していることに時折触れることがあります。「この人は、何かしら成し遂げてくれる人だ」「この人の紹介なら間違いない」など、場合によっては起業家を見る目線も「信頼と誠実さ」はポイントになるかもしれません。
投資領域に関して、簡単ではありますが以上となります。次回以降は、もう少し具体的なお話も織り交ぜながら投資スタンスについても言及していければと思います。

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