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コラム

2021.4.4

Delight Ventures は CVC か?

Dai Watanabe
渡辺 大Dai Watanabe
Managing Partner
Delight Ventures は CVC か?

はじめまして。デライト・ベンチャーズのマネージング・パートナー 渡辺大です。デライト・ベンチャーズをより多くの方に知っていただければと思い、チームのメンバーでブログをはじめることになりました。初回は、DeNAが唯一のLP(リミテッドパートナー)であるデライト・ベンチャーズは、どうCVCと違うのか?ということを簡単に説明したいと思います。

そもそもCVCとは?

ベンチャー投資に少しでも関わる人はすでにご存知だと思いますが、一般的な定義はこちら

コーポレートベンチャーキャピタル(通称CVC)とは:事業会社が直接、またはその事業会社自らが運営する投資ファンドを通じて、スタートアップへの投資を行う形態のベンチャーキャピタルのことを指します。

CVCは米国でも日本でも、スタートアップ投資額全体の約半分を占めている言われています。
事業会社の余剰資金を使って、提携や買収の対象となるスタートアップに投資したり、専門知識などの強みを生かして投資先の成長を助けたりする点で、単にファンド利益を狙うだけではなく、事業会社のビジネスにとって戦略的な意味合いを持っているのがCVCです。スタートアップとしても、CVCの母体企業が将来の顧客や販売チャネルとなることなどが期待できます。

その反面、CVCはその母体企業から指名されていた投資責任者が配置換えになったり、事業会社側の戦略変更やスタートアップのピボットの結果、一貫したサポートが得られなかったり、独占契約を求められることがあったりなど、CVCにはCVCなりのデメリットやリスクがあります。金銭的なリターンのみをゴールとする独立系VCと違って、CVCには事業会社のアジェンダが関わってくる分、起業家もその背景を理解して付き合うことが重要になります。ベンチャーキャピタルの長い歴史があるシリコンバレーでは、このようなCVCの弱点がスタートアップの成長を阻害したエピソードを元に、過去10年でその姿は進化を遂げてきました。

デライト・ベンチャーズのユニークな立ち位置


DeNAは、これまでの成長の中で次々と新規事業を生み出してきた結果、広域な領域でビジネスを展開し、スタートアップともよく提携してきました。言い換えると、DeNAはスタートアップの取引相手になることだけではなく、その競合となることも多くあります。

デライト・ベンチャーズの1号ファンドがDeNAを唯一のリミテッド・パートナーとしつつも、CVCではなく独立系ベンチャーキャピタルとして設立された背景はここにあります。

ファンドのジェネラル・パートナーである私は、デライト・ベンチャーズ以外の利害関係をDeNAとは持ちません。つまり、デライト・ベンチャーズの利益最大化を唯一の使命としています。そしてデライト・ベンチャーズの利益は、投資先スタートアップの成功によってのみ、もたらされます。

デライト・ベンチャーズはDeNAの事業戦略に基づいて投資することを目的としておらず、投資の判断はDeNAの経営とは完全に独立して行われます。DeNAと競合するスタートアップにも投資することができますし、投資先のスタートアップがDeNAと提携する場合は、そのスタートアップ側に立って交渉を助けます。また、デライト・ベンチャーズはDeNAの出身者だけでなく、様々なバックグラウンドの起業家を応援しています。

一方で、日本のスタートアップエコシステムをサポートしたい、という強い思いを持つDeNAは、リミテッド・パートナーとしての役割を超えて、デライト・ベンチャーズの投資先スタートアップに対して、様々なサポートを提供します。こういったことから、デライト・ベンチャーズは「独立系VCとCVCのいいとこ取り」をしたベンチャー・キャピタルであることを標榜しています。具体的にそれがどういうことを意味するのか、特にDeNAとどういう関係にあるのか、についてはこちらにまとめていますので、ぜひご覧ください。
デライト・ベンチャーズの実際の投資活動や支援業務については、今後随時ポストしていきたいと思います。ぜひフォローいただけたら嬉しいです。

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