Insight

2021/04/26

日本の成長の鍵はスタートアップ

日本の成長の鍵はスタートアップ

米国ベンチャー投資、倍増の勢い

米国の2021年第1四半期のベンチャー投資総額は記録更新の$69B、約7兆円に達しました。2020年第1四半期に比べると、なんと9割増の大活況。ベンチャー投資が、機関投資家の投資対象として不可欠な地位を得たと同時に、米国の経済・生活・文化の面でスタートアップのプロダクトやサービスは欠かせないものになっています。昨年のパンデミックの中でも、米国のベンチャー投資は成長を続けました。

ベンチャー投資の米国経済における投資効率

米国の上場企業の時価総額ランキングを見てみると、第1位から第6位まですべて、「venture capital-backed companies」(以下、「元VC投資先企業」)といって、ベンチャーキャピタルからの資金調達によって成長し、その後上場した会社です。つまり、ベンチャー投資がなければ存在しなかった会社と言っていいでしょう。

少し古いですが2015年にスタンフォード大学が出したレポートによると、元VC投資先企業は米国上場企業の時価総額の57%を占め、雇用の38%を生み出し、研究開発支出の82%を出しています。数字から見ても、米国経済のバックボーンとなっており、世界競争力の源です。米国時価総額上位6社までの元VC投資先企業はすべて、世界時価総額ランキングでも10位以内です。そのプロダクトは車(Tesla)から政治(Facebook)に至るまで、国民の生活に実質的な影響を及ぼしています。これらの企業なしに、米国が世界経済をいまのように牽引できているかは怪しいところです。

米国の年間ベンチャー投資額は、GDPの0.6%前後であることを考えると、ものすごい投資効率で経済へのインパクトを生み出していると言えます。

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日本におけるベンチャー投資とスタートアップ

一方日本に目を向けると、時価総額上位50社の中に、同様の定義で元VC投資先企業と呼べる会社は一社もありません(2021年4月26日現在)。国内のベンチャーキャピタルの2020年の投資額は約4,000億円(米国の約40分の1、日本のGDPの0.07%)と言われており、パンデミックで前年比減少しています。この数字は、米国はもちろん、欧州やアジア各国と比較しても経済規模比でも、大きな遅れを取っています。

人気就職先ランキングの登場企業は30年前から代わり映えせず、経済の主役は伝統的な大企業。その研究開発支出は減少傾向で、経済全体のイノベーション投資は、米中に引き離される一方です。労働生産性は主要先進7カ国中最下位で、韓国にも追い抜かれました(購買力平価換算ベース)。

私は、日本の経済成長はスタートアップの成長にかかっていると考えています。

米国のベンチャー投資は、戦後の黎明期から始まり70年代の投資規制緩和を契機に、ブームや減速を伴う数十年の歴史を経て、今の形に成長・進化してきました。日本のベンチャー投資が同じ時間をかけて進化していったのでは、手遅れになるでしょう。米国やその他の先進国で起こった進化から学び、一足飛びにワープするべきではないでしょうか。

まずは、諸外国に比べて人口比で少ないスタートアップの数を、圧倒的に増やすところから始まると思います。世界的に見ても、日本では起業することが社会的に特別扱いされており、残念ながら、相対的にスタートアップに対する逆風が強い社会でもあります。

スタートアップが次々と生まれ、成功例が出てくるためには、法制度・税制・商習慣などで、変革が必要な分野が多くあります。(この詳細はまた別途書いていきたいと思います。)

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デライト・ベンチャーズの想い

デライト・ベンチャーズは、独立系VCとして投資収益を最大化する使命がありますが、それだけではなく、日本で「起業が当たり前」になるために、私たちができることを積極的に行っていきます。重要なパートナーであるDeNAの人材や、その他大企業で働く優秀で熱意をもった人材が、起業家として独立するのをお手伝いすることもそのひとつです。また、もうひとりのマネージング・パートナーである南場が、内閣府の成長戦略会議や経団連を通じて、メッセージを発信していきます。

起業のハードルが比較的高い日本で、すでにスタートアップを立ち上げられた起業家は、世界の他国に比べて、強い意志と勇気を持った人々だと私たちは考えます。デライト・ベンチャーズは、そんなすべての起業家を心から尊敬し、信頼できるパートナーになりたいと思っています。日本発のスタートアップが世界で戦えるための様々な支援策を考え、共により良い社会の実現に向けて奮闘していきたいと思います。

共感いただける起業家、または起業を志す皆様、ぜひ気軽にデライト・ベンチャーズにお声がけください!